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研究テーマ


因果律を逆向きに遡り,結果から原因を求める問題を逆問題といいます. 例えば,人体内部の直接見えない病巣を同定するため, これが原因となって生じる別の物理量を計測し,数理的に病巣を再構成する非侵襲計測はその典型です. 発電所や構造物の配管内にある欠陥を,電磁場や超音波を用いて同定する非破壊検査もまた逆問題です.
原因を推定するだけではなく,原因を設計することで所望の結果を実現するための逆問題もあります. ヒトに所望の情報や感覚を提示するには, 超音波などの物理場を逆問題として設計・合成することが重要となります. また,生物の細胞を対象として,所望の配向パターンを実現するといった生物物理の問題も逆問題として捉えることができます.
我々の研究室では,このように非常に広範な応用をもつ逆問題に対する共通の方法論を,計測と数理に関する独自の観点から体系的に構築することを目指しています. 具体的な研究テーマは以下の通りです.

逆問題の直接解法・計測法の体系化と応用

逆問題において推定したい所望の量を観測データにより直接再構成する解法, およびそのために本質的な観測量を直接計測する手法を開発しています. またこれらを,脳磁場を用いたてんかん焦点の同定, MRIを用いた人体内部の電気・機械特性の画像化などの非侵襲計測, 強磁性体配管の欠陥定位などの非破壊検査, 地震災害時の瓦礫埋没者探索, 屋内環境におけるスマートフォン定位, などに応用しています.
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逆問題の直接解法・計測法と応用



アクティブマターの制御・構造設計理論の構築

細胞集団に代表されるアクティブマター(自発的に動く物質)が自己組織的につくる構造の制御や設計に関する研究を行っています。
これらの物質が普遍的に持つ物理法則に着目し,そこに工学的アプローチを加えることで新しい機能を持った分子/細胞システムをつくることを目指しています。
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トポロジカル欠陥